みんなの薬理学ノート~その7~

縁あって看護学校で「薬物と看護」の非常勤講師をやっています。このコーナーでは講義での一端を元に書きます。

まずは小テストの話から

次の記述で誤っているのはどれか。
1)ウロキナーゼは、急性心筋梗塞の冠動脈血栓溶解に用いられる。
2)アスピリンやアセトアミノフェンは、解熱鎮痛作用以外に血小板凝集抑制作用もある。
3)トロンビンはきわめて強力な止血薬であるが、静注してはいけない。

正解は2)です。アスピリンは抗炎症作用に加え、抗血小板作用も有します。
一方、アセトアミノフェンには抗血小板作用はありません。

ちなみにアスピリン(アセチルサリチル酸)は発明後70年以上、作用機序が不明でした。1971(昭和46)年になりイギリスのジョン・ヴェインらにより、プロスタグランジン(PG)合成抑制作用が確認され、もって身体の痛みの伝達の阻害に作用することが判明しました。この功績により、ジョン・ヴェインは1982(昭和57)年にノーベル医学賞を受賞しています。
                                             
T.M.



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