みんなの薬理学ノート~その8~

フォーリア

2008年11月25日 23:32

縁あって看護学校で「薬物と看護」の非常勤講師をやっています。このコーナーでは講義での一端を元に書きます。

まずは小テストから

貧血と治療について誤っている組み合わせはどれか
1)悪性貧血…硫酸鉄、フマル酸第一鉄
2)溶血性貧血…副腎皮質ステロイド
3)再生不良性貧血…たんぱく同化ステロイド
4)腎性貧血…エリスロポエチン

エリスロポエチンは赤血球を増やすホルモンで、主に腎臓で作られています。
“遺伝子組み換え”と呼ばれる技術により比較的近年開発された注射剤があり、腎臓が悪くなったときに生じる貧血の治療に用いられます。また、予定されている手術の場合、自己血輸血(自分の血液を予めストックしておき、術中に使う)という方法があるのですが、その時に、この注射剤が使われます。この際、経口鉄剤が併用されます。
悪性貧血は、ビタミンB12、葉酸の不足により生じる貧血です。 ビタミンB12の吸収は、胃に存在する内因子を必要とするため、胃切除などの既往歴がある場合に悪性貧血となりやすいことが分かっています。
硫酸鉄、フマル酸第一鉄は鉄欠乏性貧血に用いられます。特に若年女性などが偏食や無理なダイエットによって十分な鉄を摂取していない場合は鉄欠乏性貧血に陥りやすく、また胃潰瘍などの消化管出血が鉄欠乏の原因として知られています。

従って、答えは1)です。
                                              T.M.

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